極私的オトク情報

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auじぶん銀行の外貨定期預金キャンペーン(2021年2〜3月)で儲けた?話

auじぶん銀行の外貨定期キャンペーンで儲かった話を紹介します。

2021年2月から3月にかけてauじぶん銀行で外貨定期預金の特別金利キャンペーンを実施していました。米ドル1ヶ月定期預金が通常年利2%のところ年利7%というものです。

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auじぶん銀行 米ドル定期預金キャンペーン

さらに、この期間は「為替手数料引下げキャンペーン」とも期間がかぶっており、auじぶん銀行としては過去最大級のお祭りイベントでした。

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auじぶん銀行 為替手数料引下げキャンペーン

キャンペーンの成績

まずはキャンペーンに参加した結果を紹介します。2月中旬から3月中旬にかけて、上記キャンペーンで10000米ドルを預けたときの成績は以下の通りでした1

内訳 損益
外貨預金 税引後利息 42.79 USD (4668円)
外貨預金 為替差益 40600円
FX スワップポイント -287円
FX 為替差損 -40900円
合計 4081円

この取引に約120万円の資金が必要でした。これを1ヶ月間運用して利益が4081円ですから、年利5.5%相当(税引前)になります2。なかなか好条件ですね。

実際にはもう少し大きい単位で運用していましたので、この何倍かの利益が出た計算になります。

以下、私が何をしたのか前提知識から説明していきます。

一般的に銀行の外貨預金は損だが、得なものもある

今回は外貨預金がオトクという話を紹介するんですが、「ちょっと信じられない、外貨預金って銀行の儲けしかない商品でしょ」という方もいらっしゃるかと思います。私も少し前まで銀行の外貨預金はすべてボッタクリだと思っていました。

というのも、銀行の外貨預金はFXに比べると為替手数料が20〜200倍ほどに設定されており、見かけ上の金利が良くても為替手数料でマイナスになってしまうことが多いのです。為替・FXに詳しい人ほど外貨預金なんて眼中にないかもしれませんね。

たとえば楽天銀行の2週間外貨定期預金の例を見てみましょう。

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楽天銀行外貨定期預金2020年6〜7月キャンペーン

なんと南アランドがキャンペーン年利60%、2週間とはいえ500万円預けたとして利息が約9万円ですから大盤振る舞いに見えます。一方で、実は為替手数料で約47万円かかるので、預けた時点で7%強の損をしているようなものです。米ドル、豪ドルについても下の表の通り利息より為替手数料の方が高いことがわかります。

内訳 米ドル外貨預金
(14日間・年利4%)
豪ドル外貨預金
(14日間・年利12%)
南アランド外貨預金
(14日間・年利60%)
税引後利息 6098円 18334円 91690円
為替手数料 -23277円
(1米ドルあたり
往復50銭)
-61041円
(1豪ドルあたり
往復90銭)
-476190円
(1ランドあたり
往復60銭)
合計 -17179円 -42707円 -384500円

このように、短期間で高金利の外貨預金は為替手数料で負けるものが多いので注意しましょう。今回は楽天銀行を例に挙げましたが、他行の外貨預金キャンペーンも大抵は同じ仕組みになっています。

逆に、このような前提知識があると外貨預金のキャンペーンを見ても「あーハイハイまた損する奴でしょ」と決めつけてオトクな案件を逃してしまったりします。今回のauじぶん銀行のキャンペーンはオトク案件のはずなんですが、Twitterを見ても話題にしている人は少なかったように思います。

為替リスクはFXでヘッジできる

オトクな外貨預金が見つかったとしても、全財産をそのまま外貨預金にするのはお勧めしません。というのも、外貨預金では利息より為替差益・差損の方が断然大きくなる傾向があるからです。米ドルであれば1ヶ月で数円値動きがあることも珍しくありません。

このように為替リスクを考慮すると、外貨預金単体では投資というよりギャンブルの性質が強いと言えるでしょう。

そこでオススメしたいのが外貨預金とFX取引とを組み合わせてリスクヘッジする手法です。FXは信用取引なので売りから入ることができます。これを利用して外貨預金と同額の売りポジションを取れば、為替が上にいっても下にいっても損得が釣り合うというわけです。

実際、私は下記のようにauじぶん銀行GMOクリック証券で同時に同額のポジションを取り、定期預金の満期日に同時に決済しました。おかげで為替が上に行こうが下に行こうが損も得もせず、利息分だけを確実に頂けたというわけです。

金額 ポジション 必要資金
auじぶん銀行 外貨定期預金 10000ドル 105万円
GMOクリック証券 FXネオ 10000ドル 12万円
(証拠金維持率300%)

FXの証拠金をどれくらいにすればいいかは人によって考え方が違うと思いますが、私は米ドルなら300〜400%を基準に考えています。また、為替が急激に円安ドル高に動いた場合は証拠金維持率が下がりますので、いざとなったら証拠金を追加する準備もしておきましょう。

唯一のリスクは税金

FXで為替リスクもヘッジできてめでたしめでたし…と言いたいところですが、まだ罠があります。税金の心配があるのです。

今回紹介したやり方だと外貨預金とFXどちらかで損をしてどちらかで得をすることになります。外貨預金の方が儲かった場合の為替差益は総合課税の「雑所得」、FXの方が儲かった場合の為替差益は申告分離課税の「先物取引に係る雑所得等」となり、両者は損益通算できません。つまり、得した方だけ税金を取られて損した方は税金は返ってきません3円高にせよ円安にせよ、極端に為替が動いた場合には税金が大きくなって利益が帳消しになる可能性があるのです。

今回の例で言えば外貨預金の利益分に対する税金が8000円近くになりますから、単体で考えると大損ということになります。私の場合はFXの損失分を確定申告して損益通算するつもりなので、長い目で見れば税金分はプラマイゼロになる前提で考えています。とはいえ、普段FXをやらない人だと対処が難しいかもしれません。

国内FX会社ではなく海外FX会社を使えば損益はどちらも雑所得扱いになって損益通算できるはずなので、本当はそちらの方がいいのかもしれません。私は海外FXの経験値がないので、今後試していきたいと思います。

おわりに

auじぶん銀行の外貨預金キャンペーン(2021年2〜3月)は銀行の外貨預金キャンペーンとしては例外的にオトクなキャンペーンでした。私は1ヶ月間で計算上は年利5.5%相当の利益を得ましたが、税金を考慮すると単体ではマイナスになってしまいました。私の場合は損を取り返せると思っていますが、普段FX取引をやらない人は要注意です。


  1. 1万米ドルだと儲けがショボすぎるので、読者のみなさまの軍資金に合わせてN倍して考えてください。

  2. 4081 ÷ ( 1200000 × 28 ÷ 365 ) = 4.43% 、 他の投資であれば利益の約20%が税金になると考えて利回り 4.43% ÷ 0.8 = 5.54 % 相当と計算

  3. 国内FX同士の損益は3年間損益通算できますし(確定申告必須)、雑所得同士の損益は年内なら損益通算できます