USDJPYは6時間で最大どれほど変動するのか?適切な証拠金維持率は?
先日「EURUSDは6時間で最大どれほど変動するのか?適切な証拠金維持率は?」という記事を書きました。私自身にとっても学びがあったので、今度はUSDJPY(ドル円)についても同じことを調べてみます。
USDJPYの急騰・急落事例
では、早速ドル円の急騰・急落を見ていきましょう。6時間での上昇幅が大きかったTOP5は以下の通りです。
順位 | 日付(日本時間) | 変動幅 | 変動の理由 |
---|---|---|---|
1 | 2016年 6月24日 | +4.283円 | ブレグジットショックからの戻し |
2 | 2008年10月29日 | +4.003円 | リーマンショックからの調整 |
3 | 2011年10月31日 | +3.964円 | 日銀為替介入 |
4 | 2010年 5月 7日 | +3.516円 | NYダウ誤発注事件からの戻し |
5 | 2008年10月24-25日 | +3.356円 | リーマンショックからの戻し |
ドル円が急騰した事例は暴落からの戻しによるものが非常に多いですね。唯一単独で上昇しているのが為替介入ですから、なかなか暴騰はしない通貨ペアと言えそうです。
以下は6時間で下落幅が大きい順です。
順位 | 日付(日本時間) | 変動幅 | 変動の理由 |
---|---|---|---|
1 | 2016年 6月24日 | -7.855円 | ブレグジットショック |
2 | 2010年 5月6-7日 | -5.761円 | NYダウ誤発注事件 |
3 | 2008年10月24日 | -5.409円 | リーマンショック |
4 | 2015年 8月24日 | -5.027円 | NYダウ暴落 |
5 | 2019年 1月2-3日 | -4.645円 | フラッシュクラッシュ |
暴落の方は有名事件が多いですね。昨年年初のフラッシュクラッシュもランクインしています。
以下にそれぞれのチャートを紹介します。時刻は日本時間です。
上昇1位: 2016年 6月24日 (6時間で 4.283円上昇)
ブレグジットショックで7円下落したところから4円戻し、という状況です。
上昇2位: 2008年10月29日 (6時間で 4.003円上昇)
リーマンショックによるドル円の暴落から4日後、今度はドル円が大きく上昇しました。荒れた相場だったということかもしれません。
上昇3位: 2011年10月31日 (6時間で 3.964円上昇)
このころはヘッジファンドが円買いを強めていて、行き過ぎた円高を是正するために政府・日銀が円売り介入をしたというものです。とんでもない垂直上げで、日銀砲すごいですね。
下落1位: 2016年 6月24日 (6時間で 7.855円下落)
ユーロドルでも登場したブレグジットです。日本では仕事中の時間だったんですね。
下落2位: 2010年 5月6-7日 (6時間で 5.761円下落)
この頃はギリシャ危機でリスクオフの動きが強まっていたところに、誤発注が元でNYダウが暴落するというダブルパンチで大きな下げになりました。
下落3位: 2008年10月24日 (6時間で 5.409円下落)
2008年9月15日にリーマン・ブラザーズが経営破綻したことがきっかけで、半年近く世界経済が混乱しました。この10月24日のタイミングは為替への影響が一番大きかったものです。
証拠金維持率について考える
これらの結果から考えると、USDJPYのポジションを取る場合はロングなら8円から10円、ショートなら5円から7円くらいの余裕を見ておきたいところです。
ザックリの計算ですが、USDJPYでは証拠金維持率100%が4円に相当します。つまり、8円の余裕を持とうと思ったら証拠金維持率は300%程度が妥当ということになります。
また、ギリギリを攻める場合はFX会社のロスカット率を調べることも重要です。ロスカット率50%のFX会社であれば、その分の証拠金を減らせるかもしれません(とはいえ負けたときのリスクは大きくなります)
まとめ
ドル円は暴落しやすい割に暴騰は滅多にないという印象がありましたが、具体的な数字で示すことができました。下落リスクを大きめに見積もることでロスカットを回避していきましょう。